今話題のエアロロードバイクは本当に良いのか
待ちに待った試乗会!晴天。気温もちょうどよい。風は若干あるがエアロロードを無風の時に試してもよーわからんだろうと思うので絶好のコンディション。
今回試したのは時間の都合で三台
①キャノンデール システムシックス
②スペシャライズド ヴェンジ
③スペシャライズド ターマック
いずれも話題のディスクブレーキ車だ。
以前同じくDBモデルのマドンとエモンダを試乗した事がある。
その際の感想は今のチャリの方が良いという散々なものだったので正直あんまり期待してなかった。
□各バイクの雑感
①キャノンデール システムシックス
最初に乗ったのもあって、軽さに驚く。自分の586より確実に軽い。ギアも50がついてるんじゃないかと思うくらいクランクが軽く回る。乾いたような硬さでシャキシャキしている。登りはダンシングでスイスイ上がれる。ハンドルはブラケット部が狭く、下ハン部が広くなるオリジナルのものだったがこれがすごく良い具合の寸法でかなりしっくり来た。下り始めるとどんどん加速していく恐怖が。ブレーキはディスクだから効く…とは思わなかったが乗りなれた586のがコントロールしやすいなというのが本音。平坦区間は横風の煽りに64というハイトのホイールは怖さを感じた。平坦は586より+2km/hくらいかな…可もなく不可もなく。
②スペシャライズド ヴェンジ
試乗車の54サイズはノーマルステムのノーマルハンドル。ハンドルは普段400を使用しているので420で広く感じるが登りのダンシングでは振りやすくて良い。システムシックスの後だと若干登りにヌルさ(ペダルを踏んでる感触が軽い?)を感じる。下りは先ほどと違って怖さがない。速度を感じさせない重心の低さと衝撃吸収性。平地では風の隙間を走ってるような感触があったがこれはプラシボの範囲かな?wこちらもロバールCLX64だったので横風は食らうも重心の低さもあってシステムシックスより怖さがない。エアロポジションをとると一番しっくり来た。
③スペシャライズド ターマック
一番期待していたバイクである。乗ってみると軽い…が、ベンジより劇的に軽いというわけではない。登りはダンシングでスイスイ。ここまでは今までと同じ。ただベンジで感じたヌルさは薄まっててシステム6ほど乾いてないけど硬さはあるのかな?という印象。正直今まで乗ってたロードバイクって感じが強い。エアロロードはなんか別の乗り物な感触があっただけに感動は薄目。反応が抜群に良いわけでもない感触。難しい。
□数字で見る実際の結果
肌感で感じるものはその時の乗る順番で変わるかもしれないという事で登り(900m、平均勾配6%)の結果で比較。すべて8割程度の力でダンシングの割合も近しいと思っているがパワーメーターもつけていなかったので心拍の上昇具合で見てみた。
結果、最大心拍を見るとベンジがちょっと頑張ったのかな?ぐらい。ただ上昇で言うとそんな差異はないかも。体感速度ではシステムシックス>ターマック>ベンジだったが真逆だったw
□スペシャライズドは優秀なのか?
結局スピード出してる感じがしないのに速いって事はそれだけ安定しているんだろうし、車体コントロールに余裕があるのでもっと攻められるのかなという感想。なにが違うのかスペシャの営業さんに聞いてみたらばBBハイトじゃないかととの事。
各社のジオメトリ(BBドロップ、BBハイト)はこちら。(54サイズ)
①キャノンデール システムシックス…72、269
②スペシャライズド ヴェンジ…72、268
③トレック マドン…70、不明
④LOOK 586…70、不明
参考までに
⑤ベンジ vias…69、272.5
viasに比べると下がってるけどそこまでの差がなかった。となるとタイヤの差もあるかもしれぬ。システムシックスは23c(かつ安いタイヤを履いていると耳にした)、対してベンジは25cの差もあるのかもな。
話は戻るがBBハイトはターマックもベンジも共通だそうだ。これはルーベで得た良いところを各車に反映させたそうで、そういう良かった部分を次に次にと繰り返していくことで良いものを作り続けているとの事。
キャノンデールはそういう部分では今回全く新しいものを創り出すという意味で色々冒険している感があったのかもしれない。システムシックスは悪いバイクではないが完成度でいうとベンジに軍配が上がってしまう。
マドンはスペシャのようにドマーネの良いところを反映させようとして重く、ヌルくなってしまった。(ヌルさの原因はホイールにあるのかもしれないが…)
□結論
今回試乗して即欲しいとはならなかったが、それでもかなり好感触だったのは間違いない。帰りに586に乗ったらギコチなさすぎて違和感しかなかった。まあ適正サイズに乗った後、ワンサイズダウンしてるせいかも。軽さも明らかに試乗車だった。そりゃそうか100マンを超えるバイク乗って大したことなかったら誰も買わないわね。いずれにしてもエンジンを鍛える事には変わりはない、と。機材スポーツだけど機材が高価でなくても速くなれるのが面白いところ。