最強ホビーレーサー高岡亮寛が教える ロードバイクトレーニング

最近は3週間のブランクを埋めるべく有酸素と高強度のバランスを見ながら乗り込み。週500~600km走ってTSS1100が続いてるのでそろそろ回復週を設けないと最大心拍が右肩下がりだ。

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そんな感じで毎日の早朝トレーニングを行い、家庭の用事を済ませた午前中。ふと話題になってたこの本を立ち読みしたいなと書店に立ち寄る。

この手の本はホビーレーサーやヒルクライマーシリーズ含めレビューしてきたのでもう買わなくても良いかなって正直思っていた。高岡選手の日常は以前まで無料のブログで見れていたし、他の本で特別な事をしている節もなかった。

その考えは冒頭数ページで覆される。高岡亮寛というカリスマホビーレーサーの哲学もとい人間の本だった。

 

仕事も年齢も言い訳にしないで速くなる

本著はこのテーマに尽きる。誰しももっと時間が自由に使えたら、トレーニングに時間を割けたらきっと速くなれるのに…なんて事を思った事があるだろう。これは正解でも不正解でもあると個人的には思っている。トレーニングのボリュームが増えると質が低下する。回復力がアスリートと一般人を隔てる大きな要因であると思っている。回復しないままトレーニングを繰り返す事になる=質の低下は免れないので結局休みを多く取る事になるのではないか、という事。本著では量を増やすより質にこだわって取り組む事が大事と説いてある。考えずに走るやつはいくら走っても速くはならないとレジェンド中野氏も言っていた通り。

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そもそも出来ない理由を探す事に夢中になっている人間にとって、時間がないを言い訳にするのが一番簡単なのだ。家族がー、仕事がー、付き合いがーと。そんなのは誰しも同じだし、忙しい人を探せばキリがない。それでもレースで結果を出しているハイアマチュアは残業があたりまえで多忙な人が多い。仕事が忙しい=時間の使い方がうまくないとやっていけない=限られた時間で効率重視のトレーニングと回復をこなさないといけない。やるヤツは時間がなくてもやるし、やらないヤツは時間があってもやらない。つまりはそういう事。


レーニングのスケジュールを立てない

すごく意外な内容だった。昨年こそ逃したもののツールドおきなわを何度も制した選手であり、おきなわの前は月3000km走ったという逸話もあったのでノルマ制やATPの導入はしているものだと思っていた。が、実際に仕事をしていると予定通りに走れない日が出てくる。子供が何人もいればなおさら想定外に時間を取られることが増える。そういう生活のなかで今週はこうしなければならない、今月はこれだけしなければならないという考えはストレスを招き、楽しむ事が出来ないという。トレーニングの内容も特に決めないで前日に明日はアレしようって思い立つレベルらしい。次のパワーメーターの内容然り、長く自転車をしてきた人がもつ嗅覚というものなので真似しようと思っても難しいが、ストレスを溜めないという点は重要だなと感じた。


パワーメーターで質の管理をしていない

これは昔からハイレベルなトレーニングをしている人ならではだと思う。そういう人は自分がどの辺りの出力を出しているか肌感でわかる。なので数値を管理するより自分の感覚を研ぎ澄ます方が上振れも含めて効率的なのだろう。誰にでも当てはまる事ではないので注意が必要。中でも心拍をベースにデータを見直すという点はやはりそこがベースだなと再確認できる。

駆け引きがレースを深める

レースの考え方も書かれているが、やはりどんなに強い人でもレースの勝負所はキツいという事は不変なのだという事。もうだめだ、もう限界だ、なんて事は誰でも思う事なのだ。そこを1秒食い下がる事ができれば…それだけで形勢が逆転する事があり得るのがロードバイクの面白いところだと思っている。キツい時は皆キツい。自分に甘いやつが先に勝負を降りるだけというシンプルな話。そんなキツい中でもライバルを出し抜く為にいかにして脚を残すのか、という話になってくる。特別な内容はないが高岡選手の話なので素直に聞ける(読める)点はあると思う。個人的に目から鱗だったのはクリテの集団内位置の話だがここでは内容には触れない。

 

ザックリ振り返るとこんな感じ。個人的には非常に面白かった。実際にレースに出ている初級者が読むと良い内容なのかな。トレーニングのメニューがなくてがっかりとか思う人はパワートレーニングバイブルを買えば良い。これ一冊あれば他にトレーニング本は不要だ。